副住職の「歳時記」vol.11 2022年(令和4年)9月 秋季彼岸会
伊藤 悦央
聖号十称
毎日境内を掃いていると、樹木や花が茂り・咲き、散るといった自然の周期が分かってきます。現在は百日紅(さるすべり)の花が綺麗に咲いていますが、朝には沢山の紅い花が落ちていて、それを掃いている側からまたぽたぽたと落ちてきます。それでも見上げると木いっぱいに咲く花の姿があり、「こうも毎日掃除しているのに、なぜ花が無くならない?」と疑問が湧きました。調べたら百日紅という漢字が表す通り、7月~9月の約100日に渡り咲き続ける。また桜などと違い花が散った後も、同じ枝から新しいつぼみが開くのを繰り返すそうです。まさしく百日紅の「名は体を表す」所を毎日肌身に感じています。
取り除いてもすぐ溜まる塵(ちり)はよく人の煩悩に例えられ、掃除は身も心も清める大切な行いです。同時に健康な生活と良い仕事する為には欠かせませんので、お互いに頑張って勤めましょう。100日間美しい花を見せてくれる生命に感心しつつ、「しばらくは大変な朝が続くな」と思った自分もまだまだ精進してまいります。
どうぞ秋の彼岸は実りへの感謝と冬を迎える為に、今一度自身を整える機会になればと存じます。
至心合掌