歳時記

副住職の「歳時記」vol.02 2020年(令和2年)12月 佛名会

伊藤 悦央

聖号十称

コロナ禍の社会生活にも影響がある中、皆様におかれましては健やかにお過ごしのこととお祈りいたします。

私が稱名院に来て早一年が経ちますが、社会を取り巻く情勢は様変わりしました。新型コロナの流行は当院でも施餓鬼会を始めとする年中行事の中止または、内容を変更しての対応に見舞われました。皆様とお会いし、お目にふれる機会が叶わず誠に残念です。

社会活動の制限により、心身が疲れてきています。自分に気合を入れたと思っても次の日には落ち込んでしまう。移ろいやすい感情は、私たちの信仰心に似ていますが、その上で阿弥陀仏は人間の感情が揺らぐのはとっくにご承知で、念仏をお唱えしたすべての極楽往生がしっかりと説かれています。改めて盤石な教えと実感できます。どうぞ自身の気持ちの変化を受け入れて、溜め込み過ぎないように共に注意しましょう。

コロナ禍の中でも節目にはお寺にお参りに来て下さり、またお参りは自粛してもお気にかけて下さりました皆様のお陰で、本年も法務を務めることが出来ました。篤く感謝申し上げます。

合掌

副住職の「歳時記」vol.01 2020年(令和2年)7月 盂蘭盆会

伊藤 悦央

聖号十称

新型コロナウイルス禍、社会生活にも影響がある中、皆様におかれましては健やかにお過ごしのことと存じます。

「終わり良ければすべて良し」という言葉があるように、様々な苦労を経ても、最期に「いい人生だったな」と思いたいものです。しかし現実は、私たち人間は様々で、その終わり自体が良いとはとても思えない方もいらっしゃるでしょう。

そこで死を終わりとしない、あの世、いわゆる「終わりの向こう側」をお示しくださったのが浄土宗を開いた法然上人です。お念仏を称えた者は必ず極楽往生をする。すなわち「終わりの向こう側」はどんな人でも例外なく「良し」であることが確定しています。この間違いなく確定している「良し」という事実は、阿弥陀様より「何回でも失敗しなさい」とお声掛け頂いている思いがします。何よりも私たちがこの現実世界で、安心して生きていける糧になることを強く信じています。

大変な情勢ではありますが、どうぞ感謝の気持ちを忘れずに、日々を過ごしていきましょう。