副住職の「歳時記」vol.16 2024年(令和6年)3月 春季彼岸会
伊藤 悦央
聖号十称
平成25年10月、伊豆大島で発生した台風による土砂災害。以降毎年、自分が属する東京の浄土宗青年僧侶の会では、犠牲になられた方の慰霊法要を現地のお寺にて行っている。伊豆大島は近年発生した「東京」での災害であり、その地域の僧侶の勤めとして毎年行っている。毎回欠かさずにご参列頂く方や、「島ではこんな大勢のお坊さんのお経を聞けないからありがたい」という言葉に、身が引き締まる思いになる。
法要後には災害の発生現場へ向かうため、ホテルを営むお檀家様のマイクロバスで移動をするのだが、発車してほどなくクラクションがプーと鳴った。何事かと外を見たら「俺のお隣さん」と運転の従業員さんが一言。都会にはない島の温かみに、自分は只々「いいな」と思い、人を見かける度にそのクラクションは何回も鳴らされた。船の都合上、短い滞在であるが毎回島の方々にはよくして頂き、自分たちも元気を貰っている。
本年は元日に石川能登半島にて大地震が発生しました。募金活動でもまずは身の回りを整えるだけでも、自分のできることをしていきたいと思います。
至心合掌