2023/03/31
副住職の「歳時記」vol.12 2023年(令和5年)3月 春季彼岸会
伊藤 悦央
聖号十称
『始めは全体の半分』(ギリシアのことわざ)
新年のスタート。社会もウィズコロナへと舵を切ろうとしていますが、体や気持ちもすっかりなまって、自主的に何かを行うことに億劫(おっくう)になってしまいます。
そんな最近、読んだ新聞のコラムで表題のことわざを知り「いい言葉だな」と思いました。古代から伝わる格言のようで、意味は「物事を始めることができたら、全体の半分まで終わったようなもの。(それだけ物事を始めるのは難しくて偉大だ)」
これは「始まりが肝心」と言うように、入念な準備の重要性を説いていると捉(とら)えられますが、今の自分にとっては「まずは行動しなさい」と背中を押してくれているように感じました。「三日坊主」という言葉もよく浸透しているためか、失敗を恐れて何もやらないという残念なこともたくさん。そう思うと、特にコロナ社会を生きる私たちには、考え過ぎないで体を動かすのも大事かもしれません。ギリシアのことわざは身に沁みると同時に、そこから最終的な結果は問わない仏のような優しさも含む言葉に感じられました。
至心合掌