2022/05/31
副住職の「歳時記」vol.09 2022年(令和4年)5月 大施餓鬼会
伊藤 悦央
聖号十称
前回の補足です。浄土宗の教えは専ら念仏をお称えすることが第一ですが、実際にはそれだけをしているわけではありません。ひたすらに一つのことのみをやり続けるのは中々難しいものです。
私たちは日常の仕事や勉強でも、効率のよい作業のために、程よくその内容や科目を変えたりすることを、ごく自然に行っています。これと同様で、色々なお経を読み作法をすることは、それがきっかけとなり、念仏をより一層お称え出来る手助けになると考えられます。
教えではこの念仏以外の行いを、文字通り念仏のお称えを助ける「助業(じょごう)」と言い、またお念仏は極楽往生が正しく定まる「正定業(しょうじょうごう)」と言います。読経を始め、座禅や写経、旅先でお寺を巡る行為すべてが「助業」であり、意味のない行いはありません。ただしあくまでも「正定業」が主であることは明らかですので、何をするにつけても、お十念をいたしましょう。
まだ安心できませんが、今回の施餓鬼会案内を始め、皆様と一緒に、お念仏をお称えする日常が戻って来ればと願うばかりです。
至心合掌