2021/03/30
副住職の「歳時記」vol.03 2021年(令和3年)3月 春季彼岸会
伊藤 悦央
聖号十称
私たちがお念仏をお唱えする理由とは何でしょうか。
紀元前、お釈迦(しゃか)様が悟りを求めて出家した時代には、輪廻(りんね)(生命あるものは何度も生まれ変わること)の世界から解脱(げだつ)(脱出)することが人々の課題として提起されていました。生まれ変わるというと聞こえは良いですが、また人間になれるという保証はありません。輪廻の思想は確実に「苦」であります。法然上人はお釈迦様の説かれた教えから、今の私たちに出来ることをお示しになられたのがお念仏です。輪廻から解脱するという目的は何も変わることはありませんが、仏教を信仰する上での前提と言えます。
私がしぶしぶと勉強机に向かっっていた子供の頃には、目的を意識しない行為、それ自体にやっている意味が感じられませんでした。仏教では「救われたい」という思いをしっかりと持つことで、一層のお念仏の理解と、阿弥陀様に対する心のこもったお参りが出来れば幸いです。
至心合掌
‐追伸‐お寺にお参りに来たら、自然に手を合わせる習慣が身につくと素敵です。